
わたし学生時代にビールの売り子をしていました。
今の人気売り子さんは450杯以上売る子もいるそうですね。
これ、とてつもない記録です。
わたしの最高記録は、250杯。
当時、タンクに詰める量はメーカーによって異なっていたので、わたしの売っていたビールメーカーでは、数年の間更新されることのなかった記録です。
過去の数少ない栄光なので、今日だけは自慢させてください(笑)。
さて、そんな当時売りまくっていた(?)元ビール売り子のわたしが、
自身を振り返りつつ、身近にいた本物の人気売り子さんたちを見て感じたことをお話ししたいと思います。
そもそもビールの売り子さんはビールを売るのが仕事ですから、人気売り子さんは営業スキルが高いのでしょう。
売り子さんを見ていると、営業に通じるヒントもたくさん見つけることができます。
実際にわたしよりもっと売っていた、当時ナンバー1売り子だった友人は、大人になって未経験だった業種の営業職に転職し、がんがん出世して20代でマネージャー職につきました。

さて、わたしはビール売り子さんには営業スキル以外に、人付き合いのコツが隠れていると思っています。
野球を見に来ているお客さまに、数多くいる売り子の中から選んでもらうんです。
これってよほど印象が強くないとできないことですよね。
どうしたら沢山の人から選んでもらえるのでしょうか?
私が考える売れている売り子さんの特徴をひとつずつ見ていきましょう。
目次
とにかく笑顔、苦しい表情なんて見せない。
タンクの重さは15キロ以上。
これを4時間以上も背負ったまま、階段を上り下り。
さらにビールを注ぐときには、邪魔にならないよう小さくしゃがみますので、座って立っての繰り返しです。
これ、辛いわけはないですよね。
でも、笑顔なんです!
だってつらそうな顔している人から買いたくないですよね。
同じ金額出すなら、キラキラ笑顔の元気な子から買いたいと思いませんか?
だからといって、無理しているわけじゃないんです。
経験はないけど、ステージにいるみたいな気分?
スタンドでは不思議とがんばれてしまうんですよね。
ただ、バックグラウンドに戻った時にフラフラなことはよくありました(笑)。
そう、やはり笑顔!
人付き合いの上では一番重要なことかもしれません。
挨拶・御礼がきちんとできる
ありがとうございます!申し訳ありません!
バックグラウンドも含めて、挨拶がきちんとできる子はだいたい売れる子でしたね。
人付き合いでは基本中の基本ですね。
声が高い
セールストークはいくつかあるのですが、よく聞く「ビールいかがですか~?」は普通にしっとり言っても、野球場では全く聞こえません。
売り子さんは「か」から超高音になります。
「ビールいか~ですかぁ~~」といった感じ。
人付き合いでは、もちろん超高音にする必要はありません。
でも、低くてボソっとした声より、明るい声のほうが印象がいいですよね。
お客さまへの気遣いを忘れない
例えば、ビールが売れたときにお客さまにコップを渡しますよね。
ビールは700円(当時)だったので、千円札の場合にはつり銭を渡さなければいけません。
お客さまがコップを座席のコップスタンドに置く前に、おつりを渡してしまったらきっと困りますよね。
最初から手がふさがっているような時には、売り子さんがコップスタンドに置いておくということもあるかもしれません。
やはり、相手のことを考えて行動するというのは大切なことですね。

イエスと答える
例えば、ビール頂戴と言われたのに、タンクが空になった時どうするか?
「すみません、今切れてしまって。」
なんて人気売り子さんは決して言いません。
わたしだったら謝ったあとにこう言うと思います。
「すぐキンキンに冷えたビール持ってきますので、少しだけ待っててもらってもいいですか?」
せっかく数ある売り子の中から(偶然でも)選んでもらえたのだから、決して断らない。
待たせることには、冷たいビールという付加価値で勝負します。
日常生活でも頼みごとされる機会はありますよね。
わたしも苦手なことを頼まれると非常に困ります。
そんなときは代替案を提示するなどして、これだったら協力できるよ。と打診してみてもいいかもしれません。
自信がないからと断るのではなく、イエスということで新しい世界が広がることもあるはずです。
買ってくれたお客さま以外にも気を配る
買ってくれたお客さまにだけ、笑顔を見せていればいいわけではありません。
ビールを注ぐとき、売り子さんは階段の端のほうにいることが多いです。
階段は他のお客さまの通路にもなるわけですから、真ん中にドカッと座っては迷惑ですよね。
態度が悪ければ、なんだあの売り子!と思われてしまうことも。
時には立って通路をあけたり、申し訳ありません、と声をかけたりすることも必要です。
周囲に気を配れない非常識な行動は、意外に目につくものです。
お客さまの顔を覚える
常連さんはもちろんのこと、一度買ってくれた人にはすれ違うときにペコっと会釈していました。
今思えば、覚えていますよ~ということを自然に印象づけていたのかもしれません。
自分のことを覚えててくれて嫌な人はいません。
広告塔だということを忘れない
わたしが売っていたビールメーカーからは、時々本社の人が視察に来ていました。
もちろん売上げも大事だったとは思いますが、「赤字でもこれは広告だからね」といつも言っていました。
そう、売り子さんたちは、ビール会社の衣装を着て、ビールを売りながら、ビールを宣伝していたんですよね。
当時高校生だったわたしも、この言葉を聞いてから特に意識するようになりました。

人付き合いもそうですよね。
広告塔ではないけれど、自分の行動は知らずに家族の評価につながるってことあると思います。
幼稚園や小学校、はたまた近所の付き合いも、苦手だからと目立たないように、控えめに過ごすこともできますよね。
得意不得意もありますし、迷惑かけているわけではないのですから、問題ないのだとわたしも思います。
でも、子ども、家族の広告塔として何がしてあげられるかなって考えてみてください。
家族のためだったら、がんばろうって思える気がしませんか?
わたしもすぐ気配を消すので、人のこと言えないんですけどね(笑)
いかがでしたか?
人気売り子さんを真似したら、人気者になってしまうかもしれませんね(笑)。
もちろんわたしは人気者ではありませんし、完璧な人でもありません。
ですが、ひとつでも意識して行動すれば、人付き合いもうまくいくような気がしています。